手のひらに吸い付くような圧迫感に耐えられず、手を退けようとした。



しかし、その行為は、辻宮の引っ張る力によって阻止されてしまった。



さっきまであんなにムカついてて、こんな奴と関わりたくないとまで思ったのに。



そんな人に手のひらを吸われているなんて、ちょっと屈辱的だった。



やがて、彼の唇から解放されると、結構な量の血液を、彼が口から吐き出した。



それに驚いて



「口のなか怪我してるの!?」



と思わず叫ぶと、彼が驚いたように自分を見上げてくる。