【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





辻宮と触れあう部分から伝わってくる熱
は確かに温かいのに、辻宮はまるで、寒
さに震えるように小刻みに揺れるから。



どうしたらいいのかわからなくて、その
大きいのに頼りなさげな背中にそっと手
を回した。



「頼むから……一人で、抱え込んだりす
んなよ」



彼から紡がれる言葉はやっぱり、懇願す
るような響きを持っていて、そして、す
ごく弱々しくて。



私がこんな状態にしたのかと思ったら、
どうしようもなく胸が締め付けられた。



「……飾りなんかじゃ、ねーんだ」



その言葉に、今日、縁さんに言われた言
葉を思い出す。



深く、胸を抉られたあの言葉。



今はどうしてか、辻宮に吸い込まれるよ
うに癒されていくけれど。



「大事なんだよ……縁より」


「……っ!」