【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





辻宮の言いたいことがよくわからなくて
、首を傾げれば、盛大なため息をつかれ
てしまって。



呆れたような、どこか心配そうな眼差し
を向けられた。



「お前の友達から聞いたんだよ。縁に色
々と言われたんだろ?」


「……あぁ…そのこと」


「そのこと、じゃねーよバカ」



パコッと頭を叩かれる。



それが思いの外痛くて、何も叩くことな
いのに、と辻宮を睨むように見上げれた
けど。



そんな気持ちもすぐに吹っ飛んで。



「───……頼むから……」



次の瞬間、掠れたような声を出した辻宮
に抱き締められていた。



辻宮が私を抱き寄せるその一瞬、ちらと
見えた辻宮の顔が酷く悲痛そうで。



苦しそうに歪んでいたから。



思わず睨むことも忘れてしまった。