【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





体育館に入ると、瑠璃はまだ仏頂面で。
せっかくの綺麗な顔が、もったいないの
に、と思いながら苦笑いする。



「───……瑠璃」



こちらを向こうとしない瑠璃に声をかけ
れば、やっぱりその表情は不機嫌そうで




「ごめんね……」


「なに謝ってんのよ。別に美里は悪くな
いじゃん」


「……うん」



それでも。



不快な思いをさせてしまったことに、変
わりはないから。



でも、あの時。



「……嬉しかった」



そうポツリ、と言葉を滑らせれば、瑠璃
の瞳が大きく見開かれて。



それから、怪訝そうに顔をしかめた。