だけど、あの子が辻宮の好きだった人だ
って思ったら、どうしてか何も出来なく
なってしまった。
胸が鎖で締め付けられたみたいに痛くて
、切なくて。
自分でも、こんな気持ち初めてなんだも
ん……。
「───……美里、聞いてるの!?」
ずきずきと鈍く疼く胸元を押さえつけて
いると、そんな瑠璃の声が耳をつんざい
て。
まだ興奮しているのか、瑠璃は怒ったよ
うな口調だった。
「あんな感じ悪い女になんか、負けたら
駄目なんだからね!」
「う、うん……」
「絶対だからね!負けたりしたら、許さ
ないんだからっ」
瑠璃はそう言うと「あーもうっ!ホント
に苛つくわね!」なんて良いながらドス
ドスと体育館の入口に入っていき。
そんな瑠璃の背中を、苦笑しながら見つ
めていた。
勝ち負けとか、そういう問題じゃないと
思うんだけど……。


