縁さんの紡ぐ言葉と、冷徹な声から逃れ
られない私を現実に引っ張り戻した、瑠
璃の声。
ハッとして瑠璃を見れば、瑠璃の手が、
私の手首を掴んでいた。
そんな瑠璃を、不機嫌そうに目を細めて
みつめる縁さん。
その瞳は、瑠璃を睨むかのように光って
いた。
「あら、瑠璃さん、随分常識はずれな事
をなさるのね。今、取り込み中だって、
わからないの?」
そんな縁さんにも臆することなく、瑠璃
はその口元を妖艶に歪めた。
「あら、ごめんなさい。でも授業が始ま
るのに話し込む方が、よっぽど常識はず
れだって思いますけどね」
吐き捨てるようにそう言った瑠璃は、一
度縁さんを睨んでから、私と繭を連れ出
した。
「───あ、ありがとう……」
体育館の手間で掴まれていた手首を解放
されて、そうお礼を言う。
まだ心臓が、バクバクしてる……。


