【完】狼ご主人様と子羊ちゃん






もうすっかり薄闇に照らされた空を見上
げながら、そう言った辻宮。



「ずっと、誰にも言えなかったから」



辻宮がそう言った時、微かに胸が締め付
けられた。



あんなにも苦しい想いを、一年間、ひた
すら燻らせてきていたのか。



誰にも言えず。



そんなの、辛すぎる。むしろよく、我慢
出来ていたな、と尊敬すらする想いで。



「なんでお前が泣きそうなんだよ」



私の顔をみた辻宮が、コツっと私の額を
小突いた。



辻宮のせいで、最近涙脆くなってる。



「あんま泣きそうになるんだったら、キ
スしちゃうからな」


「……バカ!」


「ご主人様にそーいう言葉は使うもんじ
ゃねーんだぞ?」



こんな下らない他愛ないからかいも。