「……あなたもあんな男とは、一刻も早
く手を切ることね」



そう言いながら、口の端をニヤリ、と上
げた美少女。



悪魔だと、思った。



───事件が起こったのは、一週間前の
事だった。



「常山陸人です。よろしくお願いします




───冬。緋色学園に、転校生がやって
来た。



常山陸人。事情があって留年したらしく
、実際は一つ上の男の子。



短く切り揃えられた黒髪と、ぱっちりし
た瞳。筋肉質な身体。



正統派なイケメンって感じがした。



最初は、なんだか聞き覚えのある名前だ
と思っていただけだった。



そして次の瞬間、その理由を知った。



「そして、俺のパートナー枠で入学した
音宮縁を紹介します」