相変わらず強情な性格。だからこそ俺は
、そんな美里に救われつつあるのかもし
れない。



初めてだったんだ。



自分の事をこんなに話すなんて、初めて
だったんだ。



驚くくらいにスルスルと、出てきた声は
震えていて、情けないけど、美里に助け
を求めていた。



誰かに慰めて欲しかったのかもな。

お前は悪くないって、いって欲しかった
のかもしれない。



───例えばそれが、逃げの選択だとし
たってかまわないから。



「美里……ありがとうな」



相変わらずため口は直らないし。



俺の事なんか、主人だって認識している
のかも不明だけど。



それでもいいんだ───だから。



俺からどうか……離れないでいて。



ただひとつ、そう願うんだよ。