その口元に、不敵な笑みを浮かべていた
事を、俺は知らない。
俺はこの日、正式に、縁を婚約者にして
しまおうと。
まだ中学生だということは事実だとして
も、プロポーズをしようと思っていたの
だ。
「縁、おめでとう」
沢山の花束を手にした縁の元へ近寄り、
そう言うと、縁は少し微笑んだ。
「秋もでしょ。お互いおめでとう!さす
が秋だね」
縁はそう言うと、俺を見上げた。
―――一瞬、ゾクッと寒気が走って身震
いする。
だけどそんな悪寒のようなものも、すぐ
に消え去ったから、気にも止めなかった
。
最後の……警報だったのに。
俺は縁に、何か欲しいものは無いか、と
尋ねた。
すると縁は、大きなバッグが欲しい、と
答えた。


