【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





終わってみて初めて気づいた。俺は彼女
の手のひらで踊らされていたのだと。



そこには甘酸っぱい感情なんて存在せず
に、俺に向けられていたのは何時だって
鋭利な憎しみ。



すべて縁の一人勝ちだった。


俺はまんまと騙されて、肉体的にも精神
的にもおかしくなりそうだった。



全てを投げ出したいとさえ、思った。



―――あれは、去年の文化祭の事だった




「んっ……ダメだよ、秋……」



縁から漏れ出る甘い声と、拒否してるよ
うには到底思えないかよわい力。



そのどれもが俺を煽ると、縁は知らない。



―――文化祭当日、俺は人目を盗んで、
縁に唇を重ねていた。



縁と初めてキスをしたのは、ほんの一ヶ
月前のことだった。



あの日から、縁は俺のパートナー兼、恋
人になったのだ。