【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





気が付けば大きな声でそう叫んでいて、
しまった、と思ってももう遅かった。



辻宮の瞳が大きく見開かれて私を見つめ
ている。



「……そんな風に自分を卑下するのは良
くない……です、ご主人様。ご主人様に
はご主人様の良いところが沢山あるので
すから―――」



……なのに。

それなのにそれをあなたが否定したら、
誰がそれを認めてあげるの?



「ご主人様がそんな風に偏見を持って、
固定観念から抜け出せなかったら、ご主
人様が霞んでしまいますよ?」



「お前って……変だよな」

「なっ……!」



ひ、人が真剣に考えたっていうのに!!



「……可笑しいよ、お前」




辻宮は掠れた声でそう呟くと、俯いて、
顔を隠した。