【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





突然そんな声が聞こえてきて、ちょっと
首を傾げながら、辻宮を見た。



「お前は金が欲しいとか、物品が欲しい
とか、思わねーの?」



……なんなの、コイツ。



さっきからコロコロと変わるこいつの瞳
に戸惑いを隠せない。



泣きそうになったり、困惑を浮かべたり
、少し嬉しそうに揺れたり。



―――何かを蔑むように濁ったり。



「……どういう意味ですか、ご主人様」



「言ったままじゃねーかよ。金が欲しい
って思わないのか?俺にねだらないのか
よ。こんなかっこうのカモがいんのに」



「ご主人様……」



「俺にねだって俺を惑わして、大量の金
を巻き取ろうって思わねーのかよ」



「……ふざけないでよ!」