目の前に広がる光景を、未だ信じられな
い私が居る。



眩しいくらいのスポットライト。

頭の上に乗っけられた、噂では本物のル
ビーが埋められているという冠。

耳が裂けそうだっていっても過言ではな
いであろう拍手。



悔しそうな顔で私を見ている女の子達。



まさか……まさか―――……。



『栄光のグランプリ、クイーンを手にし
たのは……柊美里さん!!』



まさか私がグランプリだなんて。



嘘に決まってる。



『なんと、ご主人様の辻宮様と揃っての
受賞ですが……心境は如何ですか!?』



ずいっとマイクが差し出されて、思わず
息を呑む。



い、如何ですかって……。



「えっとぉ……採点ミスかなんかじゃな
いんですよね??」



おずおずとそう言うと、ドッと笑いが立
ち込めた。