『な、なんだかドラマのような展開です
ね!次は、柊さんが、辻宮様を褒めちぎ
って下さい!!』



そんな司会の言葉で、そういえばこの審
査は相手を褒める事だったと思い出す。



うっかり、辻宮のペースにハマる所だっ
たわ。



「ご主人様の良いところは……なんでも
完璧にこなす所です。仕事でも、日常で
も、欠陥が見つからない」



そんな私の言葉に、司会も頷く。



そう、欠陥が見つからない。


この人は弱音を見せないで、悩みも苦し
みも、全て一人で抱え込んでいる。



だからってそんなの私の知ったことじゃ
ないけれど。でも。



寂しい人だって、思った。



誰も頼れず、甘えられず。日々大きなプ
レッシャーと戦っている。