【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





「はい!?」



突然聞こえてきた自分の名前に、思わず
背筋を伸ばしながら返事をしたら、クス
クスと笑われた。



え、ん。何だ??



訳がわからず司会を見ると、司会が苦笑
いしながら私を見ていた。



『一次審査通過ですよ。一歩前に出て下
さい』



「ああなるほど―――えっ!?」



一歩踏み出してから、その言葉をやっと
理解して、思わず大声を出す。



なんだ!?めちゃ都合のいい空耳が聞こ
えたんですが!!



「え、一次審査通過?」



『はい』




「……私が?」