【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





そんな司会のやけにテンションの高い声
と、それに拍車をかけるような歓声。



ここからじゃ辻宮は見えないけど、きっ
と何てこともない顔で突っ立ってるんだ
ろう事が予想出来る。



まあ、とにもかくにも、私はここで敗退
。辻宮になにを言われようが言い訳はも
う決めてある。



『文句なら私をこの顔に産んだ両親に言
って下さい』って。



まさかアイツも、さすがに両親に怒鳴り
込みには行かないだろう。



『―――さん……』



というか無謀だったんだって。



『―――……ぎ……とさん……』



この顔でグランプリとか―――



『柊美里さんっ!!』