なんて浸っていると、不意に入り口付近が騒がしくなった。 「辻宮様だわ……」 「本当に!?」 瑠璃と繭までもが血相を変えながら、そうひそひそしている。 辻宮って誰だろう。 この緊迫した中で、意味もわからないでキョトンとしている私って場違いかもしれない。 そんな風に思っていると、その辻宮様とやらが入ってきて、私はちょっと目を見張った。 黒いサラサラの髪の毛に、切り込んだような二重まぶた。 キュッと結んだ唇が、凛々しい。 めっちゃイケメン……!!