自分の感情なんて捨て去って、マニュア
ル通りに動いていれば傷付かない事を知
った。



所詮人間なんてのは、欲の塊で、金さえ
あればいいんだって知った。



俺もきっとそんな人間の一人だって思う
と吐き気すらも、したけれど。



「―――さあ、続いてはエントリーNo.
15!!中等部からの無敗の王者、辻宮様だ
―――!!」



そんなふざけた司会の声と、大きくなる
歓声に、俺は閉じていた瞳を開く。



―――さあ、今年も。



俺はあの悪夢へと立ち向かうのだ。