本能で恋を





全く…無駄な事を……


私は、同窓会の様に盛り上がる4人の大人をチラッと見て、ため息を付いた。



と…………、視線を感じて目の前を見る。





目の前の男の子は、私と目が合うと口の角を少し上げてニヤッと笑った。



何故笑われたのかわからず、眉を寄せて睨む。



人の顔を見て笑うなんて失礼じゃないか。
しかも『ニコッ』だったら良いが『ニヤッ』だぞ。
意地悪いってか、感じ悪い。
人の事馬鹿にしたような奴…



いつまでも睨んでいるのも馬鹿らしく、私はテーブルのメニュー表を見始めた。

大きなメニュー表なので、テーブルに立ててしまえば、男の子は見えなくなった。





今日は面倒臭い事に時間を割いたのだ。それなりに高そうな物を頼んでやろう。