それから俺は、親に愛歌とのお見合いを頼んだ。

両親共、桜木さんと自分の子どもを結婚させたいって気持ちはあったから、
「2人をお見合いさせる話、実行しよう」なんて、すんなり向こうの親に持ち掛けて、実施された。




そこで少し愛歌と話して、クールな態度とフッと一回見せた笑顔のギャップに益々愛歌を知りたくなって、捕まえたくて。


「その気はない」ってキッパリ言う愛歌にイライラしながら、
『人を好きになるって、こんなにも表情や心が変われるんだな』って実感した。


今まで俺がしてきた付き合いなんて、ままごとみたいなもんだ。
そこに意味が無く、義務的に一緒に居ただけ。だから『私の事好き?』って聞かれても返事ができなかった。暫くすると面倒くさくて別れていた。


本当に『好き』ってのは、心が反応して、身体が自然に反応するものなんだ……自分の理性ではどうにもならないモヤがある…