私はそのまま構わず、葉月君にギュッと抱き付いた。
前にセナへやったように…
セナとはまた違う匂いに、大きさに、体温に…
ああ…これが葉月君なんだと感じる。
次の瞬間には、胸に安心感がじわじわ広がり……
「好き…」
そう葉月君に言っていた。
『好き』…それが私が葉月君へ出しそうになってたものだったんだ…
驚いたように動かなかった葉月君だったが、
少しするとそっと私の背中に手を回して包み込んでくれる。
『好き』が私の中でどんどん出て行く。
「……遅い」
久々に聞く意地悪な声で、呟いた葉月君を見上げる。
顔も意地が悪いのかと思っていたら、前告白された時みたいに優しい顔で、
胸がギュッて苦しくなった。
これは、『幸せ』って気持ちが胸にいっぱいになりすぎて、感情の袋が破けそうなんだ…

