奇跡か……
確かにこんなに沢山人が居る世界で、私が知り合いに出会えた事は奇跡なんだ…
もし……私が葉月君に出会ってなかったら……
もし……葉月君が私を好きだと思ってくれてなかったら……
葉月君の事ばかり浮かんで怖くなった……
自分が怖い…
毎日捕まるのを気にしながら帰ってたから?
接していて、一番感情が動く相手だったから?
何故一番感情が動くの?
それだけ彼は私の中で大きいの?
…………。
『もし、葉月君が居なくなったら……』
私は本を元の場所へと戻して走り出した。
どこへ行こうなんて場所はわからない。
それでも私は捜した。
きっと今も、私を見つけようとしている彼を。

