「無くなってから大切なものの大きさに気づくなんて、それって凄く辛い事ですよね?」
慰めの言葉なんてわからない。
むしろ私は慰める為に聞いた訳ではない。
だから率直に思った事を先生に聞いた。
「そうだね。でもその時は必死で、見えないものなんだよね…
あの時『もしもこの人が居なくなっちゃったら』とか『これが無くなったら』とか考えられたら少しは変わってたのかな…」
……もしも居なくなったら……
私はそんな事考えた事無かった。
『無いならそれで良い』と思った事はあるけど、
ある事が普通になっている事を『これが無くなったら』なんて考えるのは少し怖い気がする…
私は、保健室から出た後も、ずっとその事を考えた。

