実は今までに好きになった人も付き合った人も居ない私。
告白された事はあったけど、
直ぐに『無理』と言って断ってた。
今回もそうやれば良いと考えても、何故かそれが実行できない。
『本能のままに』
「あっ!おい!!」
私は、葉月君に握られていた手を振って剥がし、そのまま全力で走り出した。
『この場から逃げたい』という本能に従って。
その日からだ。私が彼から逃げる日々を送っているのは……
その日の夜までメールが来ていたが、受信拒否して届かなくなった。
その代わり、彼は毎日のように放課後門の前や私の帰り道のどこかに居る。
多分私は考える時間が欲しかったんだ。

