腕にあった温もりが、手の平に移って、そこで手を繋がれている事に気付いた。
それよりも彼の言葉だ……
彼は…えっと………私が好き?
理解すると、顔は勿論全身がカッと熱くなるのがわかった。
胸が騒ぐと同時に、何かが自分の中に満ちていくような錯覚があった。
ちょっと待て……冷静に考えろ……
えっと……
葉月君は私が好き。
私が葉月君を好きになれば、親の思惑通り結婚する関係になる。
いやいや、恋愛ってのはお互いを知ってから好きになって……あれ?でもこないだセナが、
『恋愛に方程式は無い。順番とか決まりがないから、計算しても解決しないのが恋愛なの』
って言ってた……。
決まりや順番が無いならどうずれば良いの!?
『本能のままに動くのが恋愛』
本能のままって何!?セナに詳しく聞いておけば良かった……

