昨日、ケータイを渡した時だ……あの時、勝手にアドレス登録をしたに違いない。
私は大きな溜め息を付いてメール文を見た。
『門のところで待ってる』
そんな短い一文だったが、私の顔が険しくなるには充分な一文だった。
「愛歌~!今ね~!って、何ちゅー顔してんの!!」
私の顔を見て驚いているのは、友達のセナだった。
「愛歌がそんな表情出すの珍しい!って、そうじゃなくて……今ね、学校の門のところに他校の制服着たイケメンが立ってるんだって!
下駄箱まで行ったら皆騒いでて、ついつい戻って来ちゃった!!」
ウキウキしながら話すセナは、私とは正反対な性格だ。どちらかと言えば母親に似ている…
私は何故かこういうタイプに懐かれるらしい。
と……その事は置いといて。
他校のイケメンと言うのは、さっきメールが来た葉月君ではないだろうか……

