ベッドに入っても なかなか寝つけなかった

さっきの自分の姿を思い出すだけで 体中が火照ってくる


唇を離した後



「これで信じてもらえました?」



工藤君の問いに 黙っているしかなかった



「残念だなぁ でも わかってもらえるまで待ってますよ」



待ってる?

何を?

私がアナタを好きになるのを待ってるって?


わからないわ・・・

そんな思考回路を理解しろって言うワケ わからない

なんで私がアナタを好きにならなきゃいけないのよ



わからないけど・・・



彼の思いは充分受け止めたような気がする

唇を伝わって ドクンドクンと流れ込んできたのがわかった

あれはウソじゃない


それほど深いところで 思いを感じたキスだった

いきなり唇を重ねられ いつもの私なら抵抗するだろうに

彼の強引な態度に驚きながらも 彼に何かを求めていた


私 どうしちゃったんだろう



キスの後も 二人で手を繋いで タクシーが拾えるところまで歩いた



「わかってもらえるまで 待ってますよ」



彼の言葉が 繰り返し私の中で響く・・・





でも どうして私なの?



考えても 考えても そこがわからないところ

工藤君が 私を好きだと言った

でも なぜなの?

考えは 堂々巡り





熟睡できないまま朝を迎えた

どんな顔をして会社に行けばいいのよ

彼に会わずに過ごすしかないわね・・・

会えば 私 何を口走るかわからないもん




久しぶりに自分の車で通勤した

この二週間 朝夕 一時間近く 彼と車の中で話をした


いい加減なヤツでも ふてぶてしいヤツでもなかった


どうして私なの・・・また考えがそこにいく