愛しの黒ライオン



「沙耶さん、どうしたんですか?」


沙耶さんは、濡れた前髪を手押さえながら私を見つめた。


「獅子さんは、何処?」
「あ、えっと...今居ないんです...」


沙耶さんは、虚ろな目をしたままブリリアントを見渡し両手を交差してから二の腕をつかんだ。


「あの...風邪引きますよ、今タオル持ってきます」


「別にいいわよ。そんな事に気を使うなら別の事に気を使えばいいでしょ?」


相変わらず胸がズキっと痛いです。