「これより! 砦を守ると同時に敵国の将軍を討ち取った、若きザラの戦士! バーダー部隊長と、その部下であるパンサー副部隊長。このニ名の戦士に砦のでの功績を称え、表彰する式を執り行う……。両者!! 今回は特例として、王自ら勲章を授与される。面を上げよ!」
大臣が長い口上を述べ終わると、二人はゆっくりと頭を上げる。
すると、フェオール王はニコやかに話し始めた。
「二人共、よくぞ砦を守り抜いてくれた。特に、バーダーよ! 部隊長の身でありながら、敵の将軍を討ち取るその功績は目を見張るものである。よって、その実力を考慮し、異例ではあるが……勲章と共に、副将軍の位を授けるとする!!」
驚くバーダーとパンサー。
勲章授与式に同席した姫も含め、どよめきが起こる。
「ホッホッホ、驚くのはまだ早いぞ……。パンサーよ! お主はそのまま昇格し部隊長の位を授ける。バーダーに負けぬ部隊を作り上げよ!」
畏まる二人に、フェオール王は一瞬だけ笑顔を見せる。
しかし直ぐに表情を引き締め、話を続けた。
