二人はしばらく待機するようにと、個室に通された。
パンサーは部屋に入って直ぐに、先程のやり取りで国王の怒りに触れたのではないかと、バーダーの事を心配してあれこれと話し掛けて来る。
しかしそれを無視するよう、沈黙を守るバーダー。
実際、自身でもどうなるのか不安で心穏やかではないのは確かである。
だが腹をくくったバーダーは、姫をどうすれば妻に出来るのかと、国王の言葉を信じ考え始めていた。
彼は戦闘でもそうだが、逆境になればなるほど燃えるタイプである。
そんな事を考えている内に、王の間へと案内する者が扉を開き、二人は向かう事となった。
到着した王の間には、大臣や警護をする者達が神妙な面持ちで待ち構えていた。
玉座には、フェオール王とその隣りにナーラ姫も存在している。
バーダーとパンサーは、真っ赤な絨毯の中央まで進み、片膝をついて頭を伏せた。
