紅蓮の星屑


バーダーは、この世に生を受けてから戦闘以外には全くと言っていい程興味がなかった。


ましてや『女性にうつつを抜かす者など、軟弱者のする事だ!』と豪語する程である。


だが、そんな自分が女性に興味を持った事に気付いた瞬間、バーダーは急に笑いが込み上げて来ると同時に、暴言とも取れる発言をし始めた。


「フフ、フハハハハハ……。女ッ!! 気に入ったぞ! お前を俺の妻にしてやる!!」


目の前の女性に強引なプロポーズを言葉にすると、今度はその父親である老人に傲慢な態度で許可を求めた。


「……じぃさんもいいだろ? 俺ならお前の娘を一生守ることが出来るからな!」


それを聞いたパンサーは、真っ青になりながら慌ててバーダーを止めに入った。


「バ、バーダー隊長!? それ以上はダメです、手遅れかも知れませんがダメですっ!!」


必死に人の恋路をじゃまするパンサーを見て、理解の出来ないバーダーは問い掛けた。


「何故だ?」


「何故って!? ……ご存知ではないのですか!? こちらのお二方は、現国王のフェオール閣下と、ナーラ姫でございますぞ!」


違う意味で衝撃が走った。