紅蓮の星屑


(なんだ!? このじぃさんは! この俺が瞬きをした瞬間に、あそこから移動したと言うのか!?)


驚愕の表情で老人に触られ続けるバーダー。


しかし直ぐさま我に返り、身体を触り続ける老人に、うっとぉしいとばかりに手で払おうとした。


「じぃさん。どんな手品か知らないが、俺に触れるなッ!」


ブンと音を立て腕を振り抜いた。


「――!?」


「馬鹿なッ!? ま、また消えただと……。」


手加減はした。手加減はしたのだが、バーダーが見開いたままの視界からその老人は消えていた。


「ホッホッホッ、若いの、お主。」


真後ろから聞こえる老人の声。


それを聞いた途端バーダーは、脳の回線が――ブチッと切れた。