紅蓮の星屑


反撃も出来ないまま、大木に蹴り飛ばされたような衝撃を腹で受け止めたバーダーは、大地を転がり苦しそうにうずくまる。


だが、その眼光は鋭く相手を睨んでいた。


「中々、しぶとい。バーダーだったな? そのしぶとさに免じて、俺の取って置きで葬ってやろう…………。」


徐々に膨れ上がるオーラを戦斧に這わせて行く。


(――やはりそうか!?)


バーダーは確信すると同時に、立ち昇るオーラを大剣へと移動させ始めた。


「さあ、これで終わるのは少し名残惜しいが、遊んでる時間も無くなりそうだしなぁ……。」


ラーメ将軍は砦を越えた先を見据える。


援軍が近付いて来ていた。


「バーダーよ、楽しかったぞ!」


頭上まで振り上げた巨大戦斧を、大地を砕く勢いで振り下ろす。


《ラーメの怒りッ!!!》


(な……なんだッ!! そのネーミングは!)


と、思うよりも速く。


バーダーは地を走る斬撃を紙一重で避けると、ラーメ将軍に接近した。


大技を放ったばかりのラーメ将軍は、隙だらけであった。


すかさずオーラを這わせた大剣を、ズブリと胸に押し込んだ。