紅蓮の星屑


ラーメ将軍の言葉を皮切りに走り出す二人。


近付くやいなや、大木を薙ぎ倒す勢いで戦斧を横に奮う。


その初動作を見るよりも先に、バーダーは後ろへと避ける。


風圧だけで、人が殺せるのではないかと思わせる一撃であった。


流れ落ちる一筋の汗。


「ほー、感心感心。今のをかわすか。」


不意に胸の辺りから痛みが走る。


胸に目をやると鎧に亀裂が走り血が流れていた。


「な!? 完全に避けたはずだ。」


ラーメ将軍に目を向けると愉しそうに笑っている。


「一撃で終わったら詰まんねぇからな。遊んでくれるんだろぉ? 若いの?」


言い終わると同時に、今度は追撃とばかりにバーダーに接近した。勢いを付けて右斜めへと、ラーメ将軍は巨大戦斧を振り下ろす。


のしかかる圧力を大剣で受け止めた瞬間、左肩が痛み、顔が歪む。


流れ落ちる血液を見ながらバーダーは逃げるように距離を置いた。