紅蓮の星屑


以前、マーベル国との抗戦の際、彼は戦場でラーメと言う男を見掛けた事があった。


余程の事がない限り名前すら覚えない彼だが、この時、ラーメ将軍の存在だけは印象に残っていた。


何故なら、ラーメ将軍の戦闘スタイルが、自分の物と似ていると感じたからだ。


簡単に言うと、二人共戦闘バカと言う事であるが、ラーメ将軍の実力は相当な物であった。


「俺が行こう……。お前らは援軍の部隊が到着するまで防御フィールドを張って待機していろ。」


「隊長!? 幾らなんでも無茶ですっ!? 援軍が到着するまで、こちらで待機して下さい、お願い致します!!」


そう男が進言するとバーダーは声を荒げ一喝する。


「誰に向かって命令しているッ!!!」


血が騒ぐのだ。


身体が疼くのだ。


それは今までこの男の戦い方を見ていれば、誰もが理解出来る事だが、無茶苦茶である。


しかしこれから強敵と闘える喜びから、オーラを暴走させ始めたバーダーを止められる者など、この砦には存在しなかった。