紅蓮の星屑


当時、三大王国である『グナン国・ザラ国・マーベル国』の三つの国で争いは絶えず行われていた。


その活発化した争いの中で、急にマーベル国が他国と停戦を申し入れて来たのは、グナン国とザラ国との全面戦争が起こる一年程前の事である。


そして停戦の条約を結ぶ以前、そのマーベル国がザラ国の国境付近にある砦に五千の兵を集めて攻めて来た。


その攻められている砦を任されていたのが、当時部隊長を任せられていたバーダーである。


「バーダー隊長!! 既に五千の兵士に取り囲まれています!! 救援の狼煙は上げましたが、応援の部隊が到着するまで一時間は掛かると思われます。 しかも……。」


そこまで話を聞くと、敵のオーラを探っていたバーダーは嬉しそうに口角を上げながら口を開いた。


「一人、強いのがいるな……。このオーラは恐らく、ラーメ将軍だろ?」