「だって、好きって言ってくれたのに…

 あたしったら…

 後で考えたらなんか、ソッコー断ってた感じで…

 感じ悪かったよね。」


「しょうがないよ。

 悪いからって付き合うもんじゃないしさ。」


 気にしてくれたんだ。

 でも、もうこれ以上言わないでって思う。


「ありがと。

 まあ、昨日は結構凹んでたけど、

 そんなことで休むほどヤワじゃないつもり。

 マジで午前中は熱あったし、

 母親が指を心配して休みとらされた。」


「指!え?そうだった大丈夫なの?」


「うん、たいしたことないのに大げさなんだよ。

 玉山学園のコンクールあるんだ。

 もう直ぐ。」


「出るの?」


「まあ、今年は様子見。

 来年は絶対賞取らないと。

 奨学金貰わないと、ピアノ続けらんないから。」


「すごい!なんだ昨日中途半端なんて言ってて、

 そんなことないじゃない。

 ちゃんと進路考えてる。

 へえ、そうかあ、凄いなあ」