「はぁ~…」

ため息ばかり出る

のせっちが帰ってからもう何度めだろ。

はぁ、

なんで、あのタイミングで告ってくるかな?


のせっち…


そりゃ、この後もこの学校にいるなら考えるけど、


転校するあたしが、OKなんかできないよ。

「はぁァァ」


「大きなため息!

 知ってる?ため息を着くと幸せが逃げていくのよ?」


ママはくすくす笑いながら

あたしの横腹をつっつく。


「ひゃんっ!やめてよぉ!」


「ふふっ、もう、逃しちゃったかもよ幸せ。

 せっかく告白してくれたのにねえ。」


「!ママ、聞いてたの?」


「そ、そりゃああんだけ大きな声で話してれば…」


「嘘!

 絶対こっそり聞いてたよね!

 もぉっプライバシーの侵害だよ。」


「だって、

 だってあんた泣いてたみたいじゃない。

 気になるわよ。

 だいたい、転校なんて嫌なくせに、

 聞き分けいい子のふりなんかしちゃって、  

 馬鹿ね。

 いい?親なんてね困らせるためにあるのよ。」