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くくっ

飛行機に乗り込み座席に座りながら、


僕は、千葉の真っ赤になってびっくりした顔を思い出していた。


最後に見た顔が、あの顔でよかった。


一年後、のことなんてまだ想像もつかないけど、

次に見る顔も泣き顔じゃないといいなって自分勝手に思っていた。


「お客様、お荷物は、上にしまうか、足元の荷物入れにお願いします。」


「あ、はい。すみません。」


ぼくは、手荷物を、足元のカゴに収納しながら、

カバンのポケットへ視線を移し、


「一緒に行こうな」

とつぶやいた。






僕のカバンのポケットには

秘密がある


楽譜に、

手紙、


メッセージ付きの絆創膏に、


プリクラ



そして




君への想い。






それはきっと


ぼくと共に


これからも


ずっと


いつもぼくの心の指定席。













(第2部  END)