「言いにくいんだけど、、

 俺、一ヶ月後に交換留学いくの決まってるんだ。」


ピザをガツガツと食べながら

たかちゃんは事もなさげに言う。


え?



「ごめん。断るとかそういうのはありえなくって、

 俺、特待生だろ?


 いわゆる育ててもらってるから学園に…

 ホントは、この活動も、

 問題になってて、
 
 でも、窓口が学園なんで、

 いわゆる隔離ってやつらしい。


 一年も離れてたら、

 環境も変わるだろうって」


「そうなんだ。


 期待されてるんだね。」


「怒ってる?」


「どうして、怒れないよ。」


怒るというよりショックだった。


前は、私の方がやっぱりどうしようもない引越だったし。


あたし達ってこの先もずっとそうなのかな。


そうあって欲しくないけど、なんとなく不安になる。


それに、一年後帰っても、またどこかに行くとかありそう。


「一年くらいなんでもない。

 俺はそう思ってるんだけど。」


「一年は長いよ、この半年、辛くて苦しかったよ。」


「それは、千葉がコンタクトを拒んだから。

 信じてよ。

 会えないで辛いのは俺も同じだったけど、

 俺は信じてたから。」


「だってさ、

 俺たちはつながってんだろ。


 音楽で、

 いつかは俺のために指揮してくれるんだろ。


 逆のだめなんだろ。未来のちあきさん。


 違ったの?」



「そうに言ってたこともあったかな。」


「ええ?忘れてた?」