ぶああぁっっ


と大きな風が吹いた。


あたしの止まっていた心の中に開けられた穴。



ああ、

止まったままだったんだ


あたしの中


出口も入口もない心という部屋の中に


ずっと立ち止まったままだったんだ。


突然開けられた風穴から


たかちゃんの歌声が聞こえてきた…


あたしを呼ぶ


キラキラしたあの時に、

あなたを思って書いた曲が

戻っておいでってあたしを呼ぶの



いいのたかちゃん?

あたしはまたあなたの手を掴む資格はあるの…






「君が好きだ」





その声が私を現実に引き戻す


その瞬間だった




「わあ----------」





そう叫びながらたかちゃんが目の前に降ってきた。






あわあわと逃げっだそうとしたあたしの手をたかちゃんは掴む。



「やっと捕まえた」