ペナルティ筋トレが終わった時には、

すっかり日が暮れて、体力も筋力もボロボロだった。


「のせっち!お疲れ。俺赤チームで良かった。」


ははっ

と呑気に笑うのは、

バスケ部で、しかも同じクラスの竹野内。


「うるせ~よタケざけんなよ。」


「おま、佐伯と何話してん?」


「昨日、部活サボって、千葉と音合わせしてたのバレた。」


「あ、わりぃそれ俺だ。」


「はあ?」


「いや、普通にお前のこと佐伯に聞かれたんで、

 コンクール近いんで練習してるんじゃないかって

 言っちゃったんだけどまずかったのか?」


「いや、家の用事だってごまかした俺が悪いんだから。
 
 一週間猶予もらったしな。」


「けどお前、練習いらんだろ?

 弾けてるし?

 去年伴奏賞だってとってるし」


「千葉がさ、本気なんだよ。

 練習というより音合わせ?」


「ふ~ん、千葉ねえ?」


「なんだよ。」


「まあ、お似合いだよ。うまくいくといいなあ?」


「ば。馬鹿そんなんじゃねーよ。」