「これ安土さんから預かったのよ。」


そう言って母さんが渡してくれたのは、

多分自分で包装したんだろうなって感じの、

手作り感満載の小さな包。


「下手くそな包み方…千葉らしいや。」


千葉は、見かけによらず不器用だった。


家庭科の時間も一生懸命やってる割には仕上がりがおっつかなくて

最後には先生や友達に手伝ってもらってた。


千葉が、四苦八苦して必死で包んだと思うと自然と笑みがこぼれてきた。


もうここにはいないのに、

病室には千葉の気配が病室の中にあった。


「開けないの?」


「一人の時に開ける。」


「もう、秘密主義!」


「うるさいよ。」



開けたら泣いてしまいそうで、



母さんの前で開けるなんて出来るわけないよ。