次に目が覚めた時




そばには母さんがいて、


千葉が行ってしまったことを伝えた。


ぼくは黙って頷いて、

ああ、そうなんだと思った。


言い知れない喪失感で、

胸が苦しくなった。


もう、会えないのか…

そればかりが頭の中を巡っていた。

けど、指を見て、

そんな気持ちが一瞬で飛んだ。


人差し指に絆創膏。


『ずっと、忘れないよ。大好き♥』

小さな丸っこい字で書いてある。


ふふっ

頭の中に

泣き笑いする千葉の顔。


ぼくも忘れないよ。