秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~

ぼくは一枚だけ、取り出すと、

裏紙をはがすと人差し指に撒きつけた


「あら?怪我したの?」


「ううん、おまじないだよ。」


「ふーん、最近はそういうのが流行りなの?」


「さあ、どうかなあ?」

「どうかなって??」

「どうでもいいだろ?」



ぼくと千葉の大切な思い出の一つ。

まだカバンに入っている、

涙に濡れた湿布と、コンクールの時の絆創膏。



うん。これで。病気にも、

プレッシャーにも負けない。

おっしゃ~!!

「 今日は行けそうな気がするよ母さん!」



気がつけば、痛みも違和感もいつの間にか消えていた。


やるよ、千葉

力が湧いてきたきがする。



左手をギュッと握りしめた。

お腹のほうの痛みはなかったけど、

胸が痛かった。


こんな別れ方しかなかったのかと

切なくて、悲しかった。