「美鈴?ごめん」
グッと引かれた腕。
その拍子に見えたのは表情を崩す颯の顔。
だけどやっぱし颯の顔がぼやけてる。
「マジでごめん。俺が電話してたから」
「ううん」
首を振って、滴(したた)る水を手で拭う。
もうシャツなんてベチャベチャで開かれた隙間から見えるのは露わになった胸。
「ごめん」
そう何度も言ってくる颯はあたしの頬を伝った一滴の涙を手で拭った。
「大丈夫」
「大丈夫な訳ねぇだろ。とりあえずこっち来い」
グッと引っ張られる腕。
それに従って進む足。
ちょっと公園の奥の方。
「ほんと大丈夫だから」
「馬鹿じゃねぇの、お前」
「颯よりは馬鹿じゃないから」
「つかこんな時にふざけんなよ。馬鹿な相手してらんねぇから」
颯は持っていたあたしの鞄を地面に置くと、自分が着ていたシャツを脱ぎ始める。



