「何で俺じゃなくアイツ?」
「そんなのアンタには関係ないじゃん。…-――痛いって!」
むやみに引っ張られた腕があまりにも痛すぎた。
自動販売機の横に押しつけられる。
ここからじゃ颯からは全く見えない位置。
それにここじゃ人通りなんて何もないから助けを呼ぶ人なんて誰もいない。
「なんかすげぇムカツク」
そう言った一瞬だった。
訳もわからず唇を奪われ、それが徐々に首筋を伝う。
「ちょっ、マジやめ――…」
手で口を塞がれ首筋には男の唇が彷徨う。
開いてる手で太ももを撫でてくる感触があまりにも気持ち悪くて吐きそうだった。
…あたし、こんな所でヤられんの?
クラクラする頭。
今にも吐き気をともなうこの感覚。
「ヤってる所、アイツに見せときゃいいじゃん」
不気味な笑いで言ってくる男に、あたしは口を塞がれたまま勢いよく首を振る。
嫌…
嫌だ…
それだけは絶対に嫌。
何だか分かんないけど徐々に目が熱くなってきたのが分る――…



