「悪いな、マジで」
「別に」
「もう辞めてもいいけど。俺と居るとロクな事ねぇし」
「別に」
「お前の評判まで悪くなっしな」
「別に」
「つか、“別に”しか言えねぇのかよ」
「いや、違うって。別にいいよって意味」
「だったらそー言えよな」
空を仰ぐ颯に釣られて同じように空を見上げる。
澄んだ空があまりにも綺麗で心が和む。
きっと、多分。
深い深い内心では、この颯と居る空間が好きなんだと思う。
他愛ない会話をして居るこの時間が好きなんだと思った。
屋上を離れてスッと唇に触れる。
まだ温りを感じるこの唇。
何で、キスなんか…
けど、そのお陰で嫌な会話を聞かずに済んだって事は確かだった。



