「なぁ、マジで本気で付き合ってみる?俺、美鈴の事スキだわ」
「え、なに…」
「俺にしとけば?」
「は?何言ってんの、アンタ」
「フリすんのも面倒くせぇじゃん。だったらこのまま――…」
「結構です!」
ズバッと遮ったあたしに颯はクスクス笑みを漏らす。
あと、一か月。
一か月だから。
その役目だけ果たしてしまえば終わりなんだから。
「お前なぁ…俺の事、断る女なんかお前だけだぞ」
「ほんっと、偉そうなんだから。それに見つかっちゃうと嫌だから静かにしてよ」
「もう居ねぇぞ」
「えっ、居ないの?」
「とっくにいねぇよ」
「はぁ…良かったぁ。…にしてもホンっと散々な言われようだよ」
立ち上がって制服をパンパンと叩くあたしはため息交じりにそう呟く。
性格悪いだとか、なんだとか。マジで勘弁してほしい。
この男が凄い事は分ったよ。
だけど、あたしを加えるのはやめてほしい。
「なぁ?美鈴?」
新たに咥えたタバコに火を点けた颯は、立っているあたしを見上げる。
「何?」
そう言ったあたしに颯はスッと視線を落とした。



